初代 Osmo 360 を持っているなら、II は急いで買わなくていい

Osmo 360 II のセンサーは初代と同じ。目玉のレンズ交換も、初代には DJI の交換サービスがあるので、大きな差にはならない。初代を売って買い替えると持ち出しは60,000円前後で、増えるのはダイナミックレンジ1段、静止画の RAW、4K/240fps のスローなど。
Osmo 360 II のセンサーは、初代 Osmo 360 とまったく同じものです。9月2日に発表された II で大きく扱われているのはレンズを自分で交換できるようになったことですが、初代にも DJI のレンズ交換サービスがあります。初代から買い替えて増えるのは、ダイナミックレンジ1段、静止画の RAW、4K スローの速さなどで、初代を持っている人が急いで買うほどの差ではないと思います。
変わったところと、変わらなかったところ
センサーは1/1.1型のスクエア型が2枚、画素ピッチは2.4μm で、初代と同じです。本体サイズ61×36.3×81mm、重量183g、2インチの画面、内蔵ストレージ105GB、本体だけで10m の防水も据え置きです。見た目にも、区別がつくところはほとんどありません。
| Osmo 360(初代) | Osmo 360 II | |
|---|---|---|
| 360°動画の最高 | 8K/50fps | 8K/60fps |
| ダイナミックレンジ | 13.5ストップ | 14.5ストップ |
| スローモーション | 最大4K/100fps | 最大4K/240fps |
| 最大ビットレート | 170Mbps | 220Mbps |
| 静止画 | JPEG のみ | RAW・HDR 360°写真に対応 |
| バッテリー | 1,950mAh | 2,150mAh |
| レンズ | ユーザー交換不可 | ユーザー交換可(キット5,280円) |
| 発売時価格(標準) | 67,100円 | 93,610円 |
変わった項目のうち、撮った映像を見て分かるのはダイナミックレンジの1段です。逆光の空や雪山、夜の街の看板とその周りの暗がりのように、明暗差が大きい場面で白飛びと黒つぶれが減ります。海外のレビューでも、ディテールと暗所のノイズは初代より良くなったと書かれています。ただし同じレビューは、日常の撮影ではほとんど同じに感じられ、初代の持ち主がすぐに買い替えるほどの差ではないとも書いています。
レンズを自分で替えられることの値打ち
II の紹介記事の多くは、レンズ交換を「初代最大の弱点の解消」として取り上げています。レンズ交換キットはデュアル(両面分)で5,280円、交換作業は2分ほどで終わるとレビューにはあります。360°カメラは前後に飛び出したレンズがどこかに当たりやすいので、これ自体はいい変更です。
一方で、初代もレンズを傷つけたら終わりというわけではありません。DJI は初代 Osmo 360 にもレンズ交換サービスを用意していて、DJI Care Refresh のような保証プランに入っていなくても使えます。実際に落として傷を入れた人の報告では、見積もりは7,295円で、修理ではなく新品と交換されて戻ってきたそうです。
レンズの傷に備える費用で比べると、II のキットが5,280円、初代の交換サービスが7,295円で、差は2,000円ほどです。ほかに違うのは、送って戻ってくるまでの日数くらいです。自分で直せるのは気楽ですが、それだけのために発売時価格の差の26,510円を払う理由にはなりにくいと思います。
バッテリーは増えたのに、撮影時間は延びていない
容量は1,950mAh から2,150mAh へ、約10%増えました。ところが連続撮影時間は 8K/30fps で100分と、初代と同じです。増えた分は、8K/60fps や4K/240fps のように上がったフレームレートの処理に回っていると見るのが自然で、海外のレビューも同じ見方をしています。初代で撮影時間が足りないと感じている人は、II に替えても、延長ロッドのような外付けのバッテリーに頼ることになります。
買い替えにかかるお金
発売時価格で比べると、初代の67,100円に対して II は93,610円で、差は26,510円です。ただ、買い替えで効いてくるのは今の値段のほうです。初代は値下がりしていて、価格.com の最安は45,000円前後まで落ちています。中古で手放すならさらに下がるので、手元の初代が30,000円台で売れたとすると、II を93,610円で買ったときの持ち出しは60,000円前後になります。
その60,000円で増えるのは、ダイナミックレンジ1段、8K のフレームレート(50fps→60fps)、4K スローの速さ(100fps→240fps)、静止画の RAW、ビットレート(170Mbps→220Mbps)です。このうち、8K/50fps と 8K/60fps の差を後から見返して分かる人はほとんどいないはずです。残りのダイナミックレンジ、RAW、スローの速さが、自分の撮り方で要るかどうかを考えることになります。
買い替えたほうがいい人
D-Log M で撮ってカラーグレーディングまでする人は、1段の差が作業のしやすさに直結します。逆光や雪山、夜の撮影が多いなら、初代で潰れていた部分が残るぶん、調整の余地が増えます。撮って出しで SNS に上げるだけなら、この1段はほとんど関係ありません。
360°の静止画を撮る人には、RAW に対応したことが一番大きな変化です。初代は JPEG でしか保存できないので、あとから明るさを大きく変えると画質が荒れやすくなります。不動産の内見写真やストリートビューのように、後から露出を整えたい用途なら、これだけで買い替える理由になります。
4K/240fps のスローは、自分の映像を見返して、本当に使うかどうかで判断したほうがいいです。水しぶき、スケートボード、バイクのように動きの速い被写体を撮っているなら効きます。旅行の街歩きや車載が中心なら、4K/100fps で足りていたはずです。
これから1台目を買うなら
初代は今、45,000円前後から買えます。II との差は40,000円を超えていて、ここまで見てきた違いにそれだけ出す価値がある人は多くないと思います。初代でも8K の360°動画は撮れますし、105GB の内蔵ストレージも10m の防水も同じです。在庫があるうちなら、初代は買い時です。
逆に、この先3〜4年使うつもりで、撮った素材を編集して残すのが前提なら II を選んでいいです。長く使うなら、レンズを自分で替えられることも効いてきます。第2世代の耐擦傷コートも入っているので、そもそも傷がつきにくくなっているはずです。
手元の初代で確かめること
手元の初代で撮った映像を2〜3本開いて、白飛びや黒つぶれで使えなかったカットがあったかを見てください。思い当たらないなら、今回は見送りでいいです。心当たりがあって、編集で直そうとしても直せなかったのなら、その1段に60,000円を払う意味はあります。
レンズを傷つけてしまっただけなら、まず DJI のレンズ交換サービスの見積もりを取ってみてください。II を買うかどうかは、その金額を見てからでも遅くありません。
出典
- Osmo 360 II(DJI 日本 公式製品ページ)
- DJI Launches Osmo 360 II at IFA 2026(DJI 公式発表)
- DJI、360°カメラ「Osmo 360 II」を発表。高ダイナミックレンジ1インチ相当8K/60fps画質
- DJI's new Osmo 360 II is a small step forward for video, and a big one for repairability(DPReview)
- DJI Osmo 360 II review(Camera Jabber)
- DJI、初の360°カメラ「Osmo 360」を発売〜8K/50p 360°動画撮影に対応(VIDEOSALON)
- DJI OSMO 360 スタンダードコンボ 価格比較(価格.com)
- DJIの新作「Osmo 360 II」はレンズ交換できるぞ(値上げもしたぞ)。第2世代の進化まとめ(ギズモード・ジャパン)
- DJI Osmo 360「レンズ交換サービス」のご案内(DJI認定ストア大阪)
- DJI osmo360を落としてレンズに傷が入ったので修理に出したら新品になった(Ashika Records)
- サムネイル写真: Photo by Amar Preciado on Pexels