iPhone 18 Pro は持続性能が40%上がったというが、17 Pro のときも40%だった

丸いテーブルに置かれたリングノートとオレンジ色のスマートフォン

iPhone 18 Pro の「持続性能 最大40%向上」は17 Pro と比べた数字で、17 Pro も16 Pro と比べて同じ40%をうたっていた。GPU の速さも最大40%上がっている。海外のストレステストで冷却の効果がはっきり出たのは Pro Max で、18 Pro と17 Pro の安定度の差は1.7%しかなかった。

Apple は iPhone 18 Pro について、持続性能(重い処理を続けたときに保てる性能)が前の世代より最大40%上がると発表しました。1年前の iPhone 17 Pro の発表でも、Apple は16 Pro と比べて「最大40%」と書いています。そのうえ今回は A20 Pro の GPU も「最大40%高速」とされていて、この2年の発表資料には40%が3回出てきます。どれが何と比べた数字なのかを分けておかないと、手元の iPhone から何が変わるのかが見えてきません。

40%は、それぞれ何と比べているのか

17 Pro(2025年9月発表)18 Pro(2026年9月発表)
持続性能16 Pro より最大40%上17 Pro より最大40%上
GPU の最高速度17 Pro(A19 Pro)より最大40%速い

GPU の40%は、7コアになった GPU を短い時間だけ全力で回したときの速さです。MacRumors がまとめた発売前のベンチマークでも、GPU は A19 Pro より38〜40%速く、CPU はシングルコアで21〜23%、マルチコアで27〜28%の伸びでした。持続性能の40%は、その速さを熱で落とさずにどこまで保てるかの数字で、チップと冷却の両方が効いてきます。何を何分続けたときの40%なのかは、まだ分かっていません。

冷やし方はどこが変わったのか

ベイパーチャンバーは、薄い板の中に閉じ込めた純水が蒸発と凝縮を繰り返して、チップの熱を広い面に逃がす部品です。iPhone は17 Pro でこれを初めて載せ、ボディもアルミの一体型に変えました。18 Pro のベイパーチャンバーはその2世代目で、表面積が17 Pro の3倍になっています。ケータイ Watch によると、熱伝導率を上げたグラファイトと、ナノ双晶銅という放熱性の高い銅素材も新しく使われています。

変化として大きいと思うのは、チップの組み方のほうです。これまではメモリをチップの上に重ねていたので、チップの熱はメモリを通ってから外へ出ていました。A20 Pro は Mac の M シリーズと同じようにメモリを横に並べ、チップを直接ベイパーチャンバーにつないでいます。2nm という微細な製造プロセスで同じ処理を少ない電力でこなせるぶん、そもそも出る熱も減る方向です。

40%のうち、冷却で増えたのはどれくらいか

GPU の最高速度がすでに最大40%上がっているので、仮に冷却が17 Pro と同じで、最高速度から落ちる割合も同じだったとしても、持続性能は40%近く上がる計算になります。Apple の「最大40%」は、冷却だけの成果とは限りません。

冷却の効き方が見えるのは、ストレステストの「安定度」です。Tom’s Guide は 3DMark Wild Life Extreme のストレステスト(同じグラフィックテストを20回続けて回し、一番良い回と悪い回の比を見る)を実施していて、18 Pro Max の安定度は79.4%で、17 Pro Max より25%高く出ました。一方で、18 Pro と17 Pro の差はわずか1.7%でした。小さい Pro のほうは、最高速度から落ちる割合がほとんど変わっていないことになります。

1つのメディアの1回のテストなので、これだけで決めつけるのは早いと思います。それでも、Apple は Pro と Pro Max の冷却に違いがあるとは書いていないのに、結果は分かれました。Pro Max は Pro より38g重く、本体も大きいので、熱を広げられる面積に余裕があるのかもしれません。長時間のゲームのように持続性能そのものを目当てに買うなら、Pro Max のほうが数字の上では期待が持てます。

17 Pro から買い替えるなら

持続性能が効いてくるのは、3Dゲームを30分、1時間と続けるとき、4K の動画を長く撮るとき、端末の上で AI のモデルを動かすときです。SNS や写真の閲覧、普通の撮影では、17 Pro の時点で熱で性能が落ちるところまで行きません。Gizmodo のレビューでも、普段の使い方で18 Pro が熱くなったことは一度も無く、猛暑の中で4K・60fps の撮影を続けても熱で止まらなかったと書かれています。

18 Pro は256GB で219,800円で、17 Pro のときより40,000円上がりました。17 Pro で長時間ゲームをしていて、画面が暗くなったりフレームレートが落ちたりするのが気になっていないなら、持続性能のために219,800円を出して買い替える理由は弱いと思います。気になっている人でも、Pro のサイズのまま選ぶと、テストの上では差が小さい点は覚えておいたほうがいいです。

16 Pro 以前からなら

こちらは差がはっきりします。16 Pro にはベイパーチャンバーが無く、18 Pro は2世代目のベイパーチャンバーとメモリを横に並べたチップの組み合わせです。Gizmodo は「2世代で最大80%」と書いていますが、それぞれの40%は別の年に別の条件で測った「最大」の数字なので、足したり掛けたりしてそのまま信じるのはやめておいたほうがいいと思います。ただ、重いゲームの途中で熱くなって動きが重くなる経験があるなら、その症状が一番減るのはこの買い替えです。

どちらの場合も、自分がいつも遊ぶゲームで、ストレステストやフレームレートの推移を載せたレビューがもう少し出てくるのを待ってからでも遅くありません。特に18 Pro(小さいほう)で長時間の結果を見られるかどうかは、Pro と Pro Max のどちらにするかにそのまま関わります。

出典

  1. iPhone 18 Pro と iPhone 18 Pro Max - Apple(日本)
  2. Apple、iPhone 18 Pro と iPhone 18 Pro Max を発表 - Apple Newsroom(日本)
  3. Apple debuts iPhone 18 Pro and iPhone 18 Pro Max - Apple Newsroom
  4. iPhone 18 Pro - Technical Specifications - Apple
  5. Apple unveils iPhone 17 Pro and iPhone 17 Pro Max - Apple Newsroom(2025年9月9日)
  6. iPhone 18 Pro/Pro Maxの進化ポイント――iPhone 17 Pro/Pro Maxから何が変わった? - ケータイ Watch
  7. iPhone 18 Pro's Redesigned Vapor Chamber Triples Cooling Surface Area - MacRumors
  8. iPhone 18 Pro and Pro Max Benchmarks Reveal Speed of A20 Pro Chip - MacRumors
  9. iPhone 18 Pro and Pro Max Review - Tom's Guide
  10. iPhone 18 Pro and 18 Pro Max Review - Gizmodo
  11. サムネイル写真: Photo by Jakub Zerdzicki on Pexels