ソフトバンクの値上げで ahamo に移るなら、40GBは当てにしないでおこう

夕暮れの空を背にした通信用の鉄塔

ソフトバンクは7月から、今の契約の料金も手続きなしで最大550円上げた。ドコモの ahamo の40GBは終了日を決めていない「おためし」で、前田社長は恒久化を決めていないと話し、料金の値上げも検討を続けている。

ソフトバンクの値上げは、7月1日から今の契約にもそのまま適用されています。手続きは要らず、請求の締め日が20日の人は7月21日からです。一方のドコモは、8月1日から ahamo を30GBから40GBに、ドコモ mini を4GBから6GB、10GBから12GBに、料金はそのままで増やしました。同じ夏に逆を向いたように見えますが、ドコモの増量は終わりを決めていない試験で、ドコモ自身の値上げの検討も止まっていません。

この夏に変わったこと

変わったこと時期今の契約者
ソフトバンク月額110〜550円の値上げ2026年7月1日から自動で適用
ワイモバイル月額220〜330円の値上げ2026年6月から自動で適用
LINEMO据え置き
ahamo30GB→40GB(大盛りは110GB→120GB)2026年8月1日から、終了日未定自動で適用
ドコモ mini4GB→6GB、10GB→12GB同上自動で適用

ソフトバンクの値上げ幅は、プランの容量でほぼ決まっています。データ無制限の「ペイトク」「メリハリ無制限+」が550円、「ミニフィットプラン+」などの小容量が330円、「ケータイ100MBプラン」やキッズフォン向けが110円です。メリハリ無制限+なら、月7,425円が7,975円になりました。

ソフトバンクは何を付けて値上げしたか

値上げした既存プランには、衛星と直接つながる「SoftBank Starlink Direct」、混んでいる場所でもつながりやすくする「Fast Access」、海外でデータが使える「海外データ放題」が加わりました。報道では「追加料金なしで付く」とまとめられていますが、ソフトバンクの案内ページを読むと条件があります。Starlink Direct は申し込み不要で使えるものの、Fast Access は対象プランでも別に申し込みが要り、海外データ放題は「世界対応ケータイ」への加入が前提です。海外に行かず、圏外になる山や海にも出かけない人にとっては、550円はそのまま値上げとして届いていると思います。

宮川社長は理由を「世の中の物価が上がりすぎ、限界まできた」と話しています。それでも、オンライン専用の LINEMO は上げないとし、「他社さんが1社で頑張っているので、牽制にもなるかと思う」と付け加えました。ソフトバンクは全ブランドを一斉に上げたわけでもなく、安いほうの入り口は残しています。

ドコモの増量はいつまで続くのか

ドコモの発表文は、増量の目的を「ご利用可能データ量が増量した場合のお客さまの体感変化を把握し、今後のお客さま満足度向上やサービス改善の参考」にするためと書いています。前田社長も8月6日の決算説明会で、使い方を検証するための増量だと説明し、「恒久化することを決めているものではない」と話しました。終了日が書かれていないのは、ずっと続けるからではなく、いつ終えるかをまだ決めていないからです。

増量の対象は ahamo とドコモ mini だけで、ドコモ MAX や eximo には何も付いていません。ソフトバンクに置き換えると、ドコモが増やしたのは LINEMO やワイモバイルにあたる安いほうのプランです。ソフトバンクが LINEMO の料金を据え置いたのと同じく、ドコモも他社へ移られやすい安いプランの契約者を引き止めようとしているように見えます。

値上げのほうも、ドコモは無縁でいるわけではありません。前田社長は5月の決算説明会で料金改定を「考えなければいけない状態だ」と述べ、8月にも「(投資の)原資を得なければいけない構造も他社さんと変わらない」と話しています。すぐに踏み切れない理由として挙げたのは、受付を終えたものも含めて25ほど並んでいるプランの複雑さと、システム改修のコストでした。「現時点で決めたものはない」とも言っているので、上げるかどうかも、いつ上げるかも、まだ分かっていません。

2社で違うのは、今の契約に手を入れたかどうか

ドコモも、去年6月に「ドコモ MAX」を出したときに、データ無制限の料金を eximo より高くしています。ただこれは新しく選ぶ人向けの値上げで、eximo を使い続けている人の請求は変わっていません。ソフトバンクは今回、新プラン「ペイトク2」(月10,538円)を出したうえで、今の契約者の料金も一緒に上げました。契約者の側から見ると、何もしていないのに請求が上がったのがソフトバンク、上がっていないのがドコモで、この夏の2社の差はそこにあります。

ソフトバンクから ahamo に移るなら

ahamo と比べるときの容量は、30GBとして見るほうが妥当です。社長自身が恒久化を決めていないと言っている以上、40GBはいつ終わってもおかしくない特典として見ておいたほうが、終わったときに困りません。ahamo は以前20GBから30GBに増やしたときも料金を変えなかったので、今回も残る可能性はありますが、約束はされていません。

料金の差は、30GBで見ても大きいままです。メリハリ無制限+の7,975円に対して、ahamo は30GBで2,970円、110GBの大盛りでも4,950円です。ただ7,975円は割引前の金額で、家族割や光回線とのセット割が効いている人は、実際の請求額で比べる必要があります。家族のうち1人だけ移ると、残った家族の割引が変わることもあります。

決め手になるのは、ここ数か月のデータ使用量です。毎月30GBに収まっているなら、増量がいつ終わっても ahamo で困ることはありません。30GBと40GBのあいだを行き来しているなら、大盛りの4,950円で比べておくと、キャンペーンが終わってから慌てずに済みます。Starlink Direct のような、ソフトバンクで今回付いたものは移ると手放すので、山や海によく行く人はその分も差額に入れて考えてください。

出典

  1. ソフトバンク「料金プランのサービス内容と月額料金の改定について」
  2. NTTドコモ「「ahamo」「ドコモ mini」向け「データ増量おためしキャンペーン」の実施について」
  3. ソフトバンク プレスリリース「“ソフトバンク”で新料金プラン「ペイトク2」を提供開始」(2026年4月10日)
  4. ケータイ Watch「ソフトバンク、7月から料金プランを最大月額550円値上げ」(2026年4月10日)
  5. ケータイ Watch「ソフトバンクとワイモバイルの値上げも「LINEMOは辛抱する」、宮川社長が語る」(2026年5月11日)
  6. ケータイ Watch「ドコモ前田社長が「ahamo40GB化は検証のため」、料金値上げへの考え方にも言及」(2026年8月6日)
  7. サムネイル写真: Photo by 家豪 陳 on Pexels